February 24, 2013

食生活へのこだわり

先日読んだ「食のトレンド」についての記事に、今後「食」は「健康」だけでなく、「個人の人間性や意思を表現するもの」にもなってくる、と書いてあり、考えさせられました。

今日は、普段あまり深く気にしないかもしれない、「食生活へのこだわり」について。


スーパーは、私たちの食生活がよく表れる場所。
レジに並ぶ人がカゴから取り出す商品を見れば、その人が食に対してどういう姿勢でいるのか、大よその想像がついてしまいます。
加工食品やスナックばかり買っている人もいれば、バランス良い生鮮食品がカゴから覗いている人もいる。
どちらが素敵に見えるか。
どちらが良識のある健康的な生活を送っているか。
と聞かれれば、当然後者ですよね。


しかし、キレイな食生活の選び方は、「加工食品を買うか生鮮食品を買うか」「健康的か不健康的か」だけではありません。


例えば、エコロジー食材を積極的に買うことや、以前もお話しましたが肉の消費を減らすことは、環境保護に繋がります。
日本人が誇る「もったいない」精神も、グリーンな食生活においてはとても大事。
無駄な食品廃材は極力減らす。それでも出てしまう分は、しっかり分別して、専用のゴミ箱に捨て、エネルギーに変換する(そういうシステムがあれば、是非!! )。廃棄量が1tonもあれば、バイオガス車をなんと1250kmも走らせることができるのです。

フェアトレード商品も、最近は選択の幅が増えてきました。
生産者を考慮し、彼らの生活改善を促そうという気持ちはとても大切です。


私の、現在の食生活へのこだわり。
それは例えば、基本ですが、素材から料理する。食べ物を粗末にしない。食品廃材のリサイクルは、スウェーデンに移って以来、もう4年近くも続けています。
また、個人的に今非常に興味があるのは、エコロジー食材とフェアトレード商品。
学生の身ですが、お財布が許す限りはそうした食材を選んで、自分のサポート意思を主張できたらなと思っています。


地球や生産者にも優しく。
そんなこだわりのある食生活をしていきたいですね。


February 20, 2013

馬の肉を食べさせられた人々

日本でも、このニュース、報道されているのでしょうか。
今、EU全体で、肉加工食品の偽造が大問題になっています。


「牛肉100%使用」と表示された食品が、実は馬肉だった。

この偽造問題が最初に発覚したのは、1月中頃、アイルランドででした。
2月始めにはイギリス、そしてスウェーデンでも確認。
その後もデンマークやノルウェーなど、様々な国で同偽造食品が見つかっています。
スウェーデンでは、馬の肉を使ったラザニアやハンバーグが、スーパーだけでなく、パブやレストラン、また学校給食にも出回っていました。
販売会社はすぐに該当商品を回収、撤去。
政府と協力して、偽造の原因究明に早急に取り掛かり、迅速な対応で臨んでいます。


この牛肉偽造は、現在、ヨーロッパ16カ国、60ほどの会社を巻き込む大問題に発展しています。
イギリスやスウェーデンで摘発された商品は、フランスの会社が製造していたもの。
しかし、それ以前の肉の出荷ルートがフランス、オランダ、キプロス、ルーマニア、ポーランドなどEU各国にまたがり、あまりにも複雑。EU法の一つである “商品の移動の自由” が障害になり、一体どこでどう入れ違えられていたのか、明確にならないのです。
武器売買組織も関与しているのでは、という情報まで出ています。


ヨーロッパの中にも、例えばベルギーやイタリア、フランスのように、馬肉を高級食品として楽しむ国はあります。しかし、そうでないスウェーデンでは、あたかも犬猫の肉を口にしてしまったかのような騒ぎ。
しかし、一番の問題は、馬肉を食べてしまった、ということではなく、嘘の表記がされていたということ。

日本でも偽造問題は少なくありませんが、スウェーデンでも、つい最近も豚肉を牛肉と偽って提供していた事件があり、食の偽造は全世界で広まる新たな問題となっているようです。


「自分が何を口にしているのか」を知ることは、消費者の最も根本的な権利。
それが守られていない。
何を信用すればいいのか。本当に信用できるのか。
判断できなくなってしまうのは、すごく恐ろしいですよね。


EU委員会は、使用材料とパッケージ表記の一致を確かめる為に、来月、加工食品の一斉DNA調査を行うことを決定しています。


February 14, 2013

Valentine‘s Day もヘルシーに!!

可愛くてお洒落なチョコレートが街にあふれる日本。
見ているだけで心がウキウキしますよね :D
スウェーデンにも素敵なチョコレート屋さんはたくさんありますが、洗練度においては日本には到底敵いません。


ですが。
チョコレートの質を選ぶ目は、日本人より肥えているのではないかでしょうか。

ここでいう “質”。
それは、“チョコレートのヘルシーさ” のコト。


スウェーデンでは近年、カカオ70%以上のダークチョコが大人気。
ミルクチョコ、ホワイトチョコは子ども用のお菓子コーナーにちょこっと置いてあるくらいです。

ダークチョコ(以下、カカオ70%以上のもの)が急激に普及したのは、その健康増進効果が知られるようになってから。
基本「健康志向の国民」であるスウェーデン人なので、「ヘルシー」という言葉に弱いのです。


では、ダークチョコの何が体に良いのでしょうか。

それはカカオに含まれるフラボノイドに理由があります。

坑酸化作用をもつフラボノイドには、悪玉コレステロールを抑え、善玉を促す効能があります。それによって、動脈への脂肪蓄積が妨げられ、炎症のリスクも減少。フラボノイドはさらに、血圧も下げてくれます。
つまり、動脈硬化の防止に偉大なプラス効果があるのです。

また、去年発表された調査では、ダークチョコはコレステロールだけでなく血糖値にも好影響をもたらすことが確認されました。
現在は糖尿病II型の発症を抑える効果もあるのではないか、と期待されています。


しかし、ここで注意したいのが、この健康増進効果は、カカオ70%以上を含むチョコレートのみである、ということ。
また、チョコレートは一方で、健康を損なう飽和脂肪を多く含み、高カロリーでもあるということも忘れてはいけません。
一番のお勧めは、10-20gのダークチョコを週4-5回程度食べることです。




今年のバレンタインは、私もカカオ70%のチョコを使ってマフィンを焼きました。
トッピングには、これまた坑酸化作用があり、ビタミンCいっぱいのベリーを使用。


皆さんも、甘くてヘルシーなバレンタインを ;-)
Happy Valentine's Day ♡


February 12, 2013

“太っても良い!?” 日

今日は、スウェーデンの Food events を一つ、ご紹介します :)


キリストの復活祭であるイースター。
その46日前(灰の水曜日)から、食事節制期間である四旬節が始まります。
スウェーデンでは、その前日の火曜日を「ずんぐり火曜日(Fettisdagen)」と呼び、セムラ(Semla)というケーキを食べる風習があります。

イースターは、「春分の日の後の最初の満月直後の日曜日」に定められているため、年によって日付が違います。
今年は3月31日がイースター。
よって、Fettisdagenは本日、2月12日でした。


セムラとは、クリームやアーモンドペーストがたっぷり入った、甘ーいケーキ。
それに、ホットミルクをかけて食べる人もいます。
卵も乳製品も食べられなくなってしまう前に、食べ溜めておかなきゃ!というのが、起源の一つ。

昔は、この日にのみしか用意されなかったセムラ。
今では、クリスマスが終わって新年が明けたかと思うと、もうスーパーやカフェで目にします。
次のイベントに向けての楽しみがないと、やってられない、という感じ。
伝統も何もありません。笑。


毎年、This Year's Best Semla といって、いろいろなお店のセムラがランク付けされます。




いつもは私たちもそのランク付けを一応チェックして買うのですが、今年は、初めて自分で焼いてみました :-D




生クリームがあまり好きでないので、自分で調節できてピッタリ。


これからイースターまでの7週間。
毎週火曜日のデザートは、セムラに決定です☆
(これは、一部のスウェーデン人の習慣。)


February 7, 2013

ビタミン D

やっっっーと雪が解け出し、気温もプラスが続き始めた♡
かと思ったら、また大雪の日々です… :(

今こそ日が延びているとはいえ、スウェーデンでは冬になると、日照時間が短くなり、一日の大半は真っ暗。
そのせいで、冬は鬱になる人や、ライトセラピーなんてものを受ける人が増えます。


しかし、太陽がいなくなることで生じるのは、精神的な問題だけではありません。


体に必要なビタミンの一つ、ビタミンD。
ビタミンDは、太陽の光を受けることで体内でも生成することのできるビタミンです。
ですので、食事だけでなく、日光もとても大切な供給源。

黒い肌の人、長袖ばかり着ている人、室内にこもってばかりの人は、日頃からビタミンD不足になるリスクが大きいのですが、スウェーデンでは、冬になると、特に子どものビタミンD不足に注意が必要となります。

先月末の新聞記事によると、今秋冬の日光量は例年に比べても少なく、スウェーデン北部に住む幼稚園児は、たとえきちんとした食事をしていても、体内のビタミンD値が基準を下回ってしまっているそうです。


 
 
ビタミンDは、カルシウム摂取バランスに関与するビタミンなので、不足すると骨や歯の成長に悪影響を及ぼします。
ですのでスウェーデンでは、子どもは2歳になるまで、毎日ビタミンDサプリを飲むことが推奨されています。


太陽のありがたさは、いざ太陽のない場所に行ってみないと、なかなか気づきません。
日に焼けたくない、というお気持ちは分かりますが、でも、適度な日光浴は必要なのですよ。
(北欧の人は、夏は一日中太陽の下でお昼寝。まるで、一年分の日光を吸収しているよう。笑。) 


だから、早く春になって!!

February 4, 2013

減塩

スウェーデンのキッチンで一番好きな場所。
それは、様々なハーブや塩コショウが並ぶ調味料スペースです。




大抵どの家庭のキッチンにも備え付けられていますが、調味料が揃っているだけで、料理が出来る感覚に陥ってしまう、というMiracle Space☆


スーパーでも調味料コーナーは賑わっています。
それでもやはり、“お国もの” がないスウェーデンで一番よく使われる調味料といえば、「お塩」でしょうか。

私も、現在家に5種類の塩を置いています。




ヨード入りのミネラルソルト、シーソルト、ハーブソルト、フランスの友達が送ってくれた岩塩、そして大分の柚子塩。
料理によって、使う塩を変えるのも楽しいです。
※ヨードはホルモン生成に関わるミネラル物質。このホルモンは新陳代謝をコントロールする働きがあるので、ヨードは私たちの体に欠かせません。


塩は食材の旨さを引き出してくれる、優れもの。
しかし、摂りすぎには注意が必要。
高血圧の直接原因だけでなく、生活習慣病やメタボにも繋がってしまいます。

WHO が推奨する塩の摂取量は、一日5-6g。
Livsmedelsverket は現在、男性7g/女性6gの一日摂取量を推奨していますが、長期的には、WHOと同じく5-6gを目指しています。
では、スウェーデンに住む私たちが、実際どのくらいの塩を毎日摂取しているのか、というと、推奨量の約2倍、10-12g、だそうです。


以前、彼ママと料理をしていた時のコト。
私が味付けの為に塩を振っていると、“もっと塩を入れて” の声が。
丁度授業で塩の話を聞いた後だったので反論はしたものの、美味しくないと意味がないと言われてしまいました。
彼パパなんて、更にそれに塩を振って食べる始末。
彼ママのゴハンは確かに美味しいんです。
そして、彼ママは私と同様、健康にすごく興味があるんです。
が、今までいつもこんなに塩を使っていたのか、とビックリしました。


しかし、問題の根本は個人個人で解決できそうにありません。
なぜなら、私たちの塩の摂取源の約75%は「見えないところ」にある、からです。
例えば、パンや肉製品。オイルやチーズ。そして、出来合い食品はもちろん、甘いトマトケチャップやコーンフレークにも予想以上の塩分が含まれています。
スウェーデン国民が塩の摂取量を推奨まで減らすには、食品産業界をもっての取り組みが必要なのです。
Livsmedelsverket は、産業界に問いかけて、食品に含まれる塩の量を5年の間に徐々に減らすプログラムを打ち出しているところです。


……
と、ここでふと気になるのが、日本での現状。
味噌にも醤油にも塩は大量に使われているし、去年話題になった塩麹なんて名前に塩が付くほど。
日本人に高血圧や糖尿病が多いのは、塩の高摂取が原因の一つなのでしょうか??
どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら、教えていただけると嬉しいです。