October 12, 2013

大豆ストーリー

今学期は筆記テストが2回しかない分、グループワーク&発表が頻繁にあります。
その一つで、先日は食品品質のワークショップがありました。
2~4人の小グループに分かれ、それぞれ違う食材を選び、その機能的/食的/衛生的/栄養的/環境的/主観的そしてサービス上の品質を調べる、という課題。
各グループ、担当食材の中でもベストな品種とワーストな品種を見つけ、比較しました。

私のグループはマメ科をチョイス。
いくつかの国勢レポートを読んだ後、ベストなマメは国内(スウェーデン)産の黄エンドウ豆、ワーストは輸入(特にアメリカや南米産)の大豆、と決定。

実際、マメ科の食材はどれも素晴らしいので、「どうして黄エンドウ豆がベストに選ばれたのか」というと、実は特に大した理由はありません(あえて、スウェーデン産/オーガニック/紙パックの商品を選んだのが一番の原因)。
では「なぜ大豆がワーストなのか」というと、これには環境的、主観的(民族・文化面、GMO)品質が挙げられます。
まず、スウェーデンでは大豆はほとんど生産されていないので、輸入に頼っています。つまり、輸送時にかかる環境負担が大きいのです。また、一部の生産輸出国では、大豆を立派にするために窒素肥料を使用しており、その肥料の生産に燃料が使われる&二酸化炭素が排出されることも、環境問題につながります。
※マメ科の植物は、自分で窒素を生成することができるので、本来は窒素肥料の必要ありません。

主観的品質でネガティブなポイントになったのは、南米で年々大豆の生産量が増えているということ。結果、その土地の伝統的な耕作物がどんどん押しやられています。
また、土地確保のために森林伐採も広がり、そこに住む生態への脅威ともなっている点は、環境的品質をみた時にも忘れてはいけない実情です。
大豆は遺伝子組み換え(GMO)の代表食品ですが、これに対する消費者個人の意見も、主観的品質を作用する要因となる、と私たちは考えました。


ですが、これらの品質においては圧倒的にワーストな点数を集めてしまう大豆も、栄養的品質で言えばマメ科の中で一番!!
日本人にとって、とても大切な食材である大豆。
あまりネガティブに受け取りたくないな…というのが本音です。
日本も、大豆の80%を輸入に頼っていると言うので、大豆商品を選ぶ際は、その大豆の生産国がどこか、オーガニックか、GMOかetc. 気になる項目を確認するように心がければ、大豆のマイナス面も少しはカバーできるのではないでしょうか。


最後に余談。
昨日の天声人語に、豆腐(大豆)に関わるお話が載っていました。
そこから少々抜粋を:

「江戸時代の遊び心は馬鹿にならない。たとえば当時の豆腐には、モミジの葉の模様が浮き彫りにされていたそうだ。モミジといえば秋の紅葉(こうよう)。それを「買うよう」とかけて、よく買うようにと含ませた洒落(しゃれ)は、粋な宣伝でもあった▼豆腐の行商は明け方にまわってくる。〈朝風や紅葉(もみじ)をさそふ豆腐桶(おけ)〉といった句もあり、模様は庶民におなじみだった(『江戸川柳飲食辞典』)。栄養があっておいしく、なにより値段が安かった。いまに至る日本人の豆腐好きが垣間見える▼ (以下省略)」

日本人の粋なハカライ。溜息が出てしまいます。。。
もっとこんな素敵な和文化を世界に発信したいですね。

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