October 22, 2013

“賢く” 食べよう。

SMART に食べよう。
スウェーデン(正確に言えばストックホルム)が提唱するコンセプトで、「健康にも環境にも優しい食べ方」を提案するモデルです。

何の頭文字かというと…

S   Större andel vegetabilier (野菜・果物の割合を増やす)
M  Minska andel "tomma kalorier" (“無駄なカロリー”を減らす)
A   Andelen ekologiskt ökas (オーガニック食材を増やす)
R   Rätt kött och grönsaker (正しい肉と野菜を選ぶ)
T   Transportsnål (輸送の削減)



S:
家畜の飼育には、耕作よりも多くの資源を必要とするため、結果、環境にもより負担が掛かってしまいます。
そこで推奨するのが、豆類。
豆にはお肉に近い栄養価が含まれているので、代用食材にピッタリです。
ですが、時にはお肉を食べることも大切。カラダに必要な鉄分(特に女性)や亜鉛は、お肉に豊富に含まれています。

Result: 今まで消費していたお肉の1/4を、お豆に変えましょう。


M:
私たちは、食費の約半分を、ポテトチップス、ジュース、ワインやお菓子に費やしています。
これらの“無駄なカロリー” は、一日のカロリー摂取の1/4を占めています。

Result:  “無駄なカロリー” 量を半分に減らしましょう。


A:
例えば、リンゴ一つも、店頭に並ぶまでに30回以上も農薬で殺菌されていることがあります。見た目では分かりませんが、「普通」のリンゴと「有機農産(無農薬)」のリンゴには、大きな違いがあるのです。
また、有機飼育の家畜には有機飼料が与えられており、ストレスを減らす為になるべく自然に近い環境で育てられています。

Result: 有機農産物/畜産物のオーガニック食材をできるだけ選ぶようにしましょう。

スウェーデンでは、オーガニック商品にはKRAVマークという認定証が、日本では有機JASマークが付けられています。


R:
肉: 放牧家畜の牛や羊は、草を食べることで農作地の保護に貢献してくれているのに比べて、鶏や豚はそれができないうえに、エネルギーのかかる穀物を飼料とします。また、鉄分の量をみても、鶏と豚の肉は牛や羊に劣っています。

Result: 有機畜産物や放牧畜産物を選びましょう。

野菜: 一日、少なくとも2食は野菜を食べることが勧められています。
特に根菜やブロッコリー、キャベツなどの“粗”野菜は栄養値も高く、また比較的お財布にも優しいので、嬉しい選択肢。
それに加え、これらの野菜はトマトやキュウリ、レタスなどの温室野菜に比べると、かかるエネルギー量も大幅に少ないのがポイント。

Result: “粗”野菜を食べましょう。


T:
多数ある同類商品から一つを選ぶとき、「それがどこから来たのか」を考えることも大切です。
生産国が遠ければ遠いほど、輸送にかかるエネルギーも大きければ、排気ガスの量も多い。環境汚染につながります。

Result: 地産地消(地域生産地域消費)を目指しましょう。
      季節の物を買いましょう。
      可能な距離なら、徒歩/自転車で買い物に行きましょう。



「健康にも環境にも優しい食べ方」を探る SMART-model。
     
健康上の利点には…
1.生活習慣病(肥満、心血管疾患、糖尿病そして癌)の予防。
2.サプリメントに頼らない食生活。

環境上の利点には…
1.環境汚染を減少。
2.毒物の拡散減少。
3.富栄養化防止。
4.大切な農地の保護。

が挙げられます。


皆さんも、“賢く” 食べてみませんか。

October 12, 2013

大豆ストーリー

今学期は筆記テストが2回しかない分、グループワーク&発表が頻繁にあります。
その一つで、先日は食品品質のワークショップがありました。
2~4人の小グループに分かれ、それぞれ違う食材を選び、その機能的/食的/衛生的/栄養的/環境的/主観的そしてサービス上の品質を調べる、という課題。
各グループ、担当食材の中でもベストな品種とワーストな品種を見つけ、比較しました。

私のグループはマメ科をチョイス。
いくつかの国勢レポートを読んだ後、ベストなマメは国内(スウェーデン)産の黄エンドウ豆、ワーストは輸入(特にアメリカや南米産)の大豆、と決定。

実際、マメ科の食材はどれも素晴らしいので、「どうして黄エンドウ豆がベストに選ばれたのか」というと、実は特に大した理由はありません(あえて、スウェーデン産/オーガニック/紙パックの商品を選んだのが一番の原因)。
では「なぜ大豆がワーストなのか」というと、これには環境的、主観的(民族・文化面、GMO)品質が挙げられます。
まず、スウェーデンでは大豆はほとんど生産されていないので、輸入に頼っています。つまり、輸送時にかかる環境負担が大きいのです。また、一部の生産輸出国では、大豆を立派にするために窒素肥料を使用しており、その肥料の生産に燃料が使われる&二酸化炭素が排出されることも、環境問題につながります。
※マメ科の植物は、自分で窒素を生成することができるので、本来は窒素肥料の必要ありません。

主観的品質でネガティブなポイントになったのは、南米で年々大豆の生産量が増えているということ。結果、その土地の伝統的な耕作物がどんどん押しやられています。
また、土地確保のために森林伐採も広がり、そこに住む生態への脅威ともなっている点は、環境的品質をみた時にも忘れてはいけない実情です。
大豆は遺伝子組み換え(GMO)の代表食品ですが、これに対する消費者個人の意見も、主観的品質を作用する要因となる、と私たちは考えました。


ですが、これらの品質においては圧倒的にワーストな点数を集めてしまう大豆も、栄養的品質で言えばマメ科の中で一番!!
日本人にとって、とても大切な食材である大豆。
あまりネガティブに受け取りたくないな…というのが本音です。
日本も、大豆の80%を輸入に頼っていると言うので、大豆商品を選ぶ際は、その大豆の生産国がどこか、オーガニックか、GMOかetc. 気になる項目を確認するように心がければ、大豆のマイナス面も少しはカバーできるのではないでしょうか。


最後に余談。
昨日の天声人語に、豆腐(大豆)に関わるお話が載っていました。
そこから少々抜粋を:

「江戸時代の遊び心は馬鹿にならない。たとえば当時の豆腐には、モミジの葉の模様が浮き彫りにされていたそうだ。モミジといえば秋の紅葉(こうよう)。それを「買うよう」とかけて、よく買うようにと含ませた洒落(しゃれ)は、粋な宣伝でもあった▼豆腐の行商は明け方にまわってくる。〈朝風や紅葉(もみじ)をさそふ豆腐桶(おけ)〉といった句もあり、模様は庶民におなじみだった(『江戸川柳飲食辞典』)。栄養があっておいしく、なにより値段が安かった。いまに至る日本人の豆腐好きが垣間見える▼ (以下省略)」

日本人の粋なハカライ。溜息が出てしまいます。。。
もっとこんな素敵な和文化を世界に発信したいですね。

テスト

あれこれ書きたい、と思っているうちに、どんどん時間が経ってしまいます…
何を書こうと思っていたのかも、忘れてしまうくらい。
なので、とりあえず、ここ最近あったことから :)

先週、今学期第一回目の筆記テストがありました。
内容は、衛生管理とSensory analysisで、14-19時までの5時間テスト!!
(日本で考えると5時間のテストはビックリですが、こちらでは4,5時間は当たり前。なので、皆、おやつやコーヒーを持参して臨みます。笑。)
そして昨日、採点発表があり、なんと不合格者ゼロの素晴らしい結果となりました。

でも、今回のテストで自己反省したことが一つ: 勉強法を考えなおさないと。
日本人の典型例だと思いますが、私は昔から暗記系が得意。なので、頭に詰めたことを書けばいいような理論的な試験問題は成績も良い。
でも、「○○が起きました。これは何が原因で、どんな対処をするべきですか??」という実践的な問題になると、どうしてもつまづいてしまうんです。
今までの自分の分野(言語)だったらそれでもOKでしたが、色々な患者さんと向き合い、それぞれの例に応じた処置を考えるDietistには不向き。理論を実践に応用出来るようにならないと、いざ現場に立ったときに役に立たないな…と改めて思いました。

これは、テスト勉強時だけじゃなくて、日頃から当てはまるコト。
回転が速く、“動ける” 頭脳に鍛えたいです。