February 14, 2014

初実習 @カロリンスカ大学病院

一昨日、昨日の2日間、初めての病院実習がありました :))))))

今回は、指導管理栄養士さんに付き添って診察を見学するだけ、の受け身研修でしたが、それでも、管理栄養士が実際どのような仕事をしているのかを見る機会が与えられただけで、学生の私たちにとっては有意義な経験!!




先生から手渡されたリストにある病院の中から、私はStockholmのカロリンスカ大学病院を希望。
クラスメート2人と共に、一日目はSolna、二日目はHuddingeの病院で研修を受けることができました。
※カロリンスカ大学病院は、ノーベル賞の生理学・医学部門の選考委員会があるカロリンスカ研究所(/医科大学)の教育医療機関で、スウェーデンにある大きな病院の一つです。

 「プライバシー尊重と個人情報保護」を尊重しつつ、この2日間の出来事と感想を書きたいと思います。


まず一日目。私は小児科の見学。
午前午後と、未熟児の赤ちゃんや小児糖尿の患者さんの診察にお邪魔しました。

二日目は、大人の患者さんの診察を見学。
午前中は、30年も管理栄養士として働いているベテラン先輩が指導官に就いてくださり、全体的な仕事内容を聞いたり、診察場面を観させてもらいました。
午後は、癌患者を担当する管理栄養士さんの元、実際に患者さんたちの病室を覗きました。


実習を終えて。
自分でも分からないので言葉で表せないのですが、いろいろな考えが頭の中でぐちゃぐちゃしています。
驚きがあったり、喜びがあったり、新たな不安を覚えたり。
プラスなこともマイナスなことも、なんだか雲のように浮かんでる。
実習の後って、やる気がUPして、やりたいことが分かって、今までよりも前に進んでるんじゃないの!?
って思う方もいるかもしれませんが、私はこういうカタチにできない感想を抱き、そして、それはそれで良いじゃないかと思います。モヤーッとしたものがハッキリした時、自分がやりたいコトが分かるもの。
第一回目の実習って、こういうものかもしれない。
言うまでもなく、今後の自分への課題は120%見つかって、それはすっごく貴重な収得です ;)


今回の実習。何より成功だったのは、カロリンスカ大学病院を選んだことでしょうか。
実習地が決まってすぐ、総合指導担当の方から、メールではなく電話で連絡があり、好印象。
指導官をはじめ、他の管理栄養士さんたちからの “Welcome!!” な温かい雰囲気に、落ち着いて実習をすることもできたし、彼女たちと知り合えたことも宝物。
スウェーデンの小児病院の中で最先端をいくAstrid Lindgrens Barnsjukhusで実習させてもらえたことも、30年のベテラン管理栄養士さんに付かせてもらえたことも、すごく光栄。
そして、初日最初の1時間に受けたイントロダクションでは、クリニックの整った組織体制に感動。
カロリンスカ研究所の一機関であるだけあって、可能性もすごく広がっている。
そんな場所に足を一つ踏み込めたことは、本当に良い選択でした。

もちろん、他の病院で実習を受けているクラスメートも、皆それぞれ素晴らしい経験ができたことだと思います。


先週は、先生と卒論について少し議論。
今週は、2日間の実習以外にも、様々な分野で活躍する管理栄養士さんたちの講義を聴講。
ここ数日、いろんなコトを考えていて、目が回りそうです。


February 8, 2014

ココが変だよ、日本人!! 「食物アレルギー編」

冬季オリンピック。
今さっき、モーグル競技が終了しました。
残念ながら4位に終わった上村選手。3位になった選手は3回も同じ場所で失敗をしたのに、銅メダルをとって、なんだか悔しい。
上村選手、お疲れ様です!!
そして、日本、もっともっと頑張れ!!


さて、昨日に続いて、食物アレルギーについて。
去年末に書いて保存していた未投稿記事なので、昨日の記事内容から少し時代が遡るかもしれませんが、ご了承を ;)


スウェーデンでは、一般的な食物アレルギー。

「ラクトースアレルギーなの。」
「私はグルテンアレルギー。」
「ゴマが食べられない。」
「卵がダメ。」

本当に様々です。


私の周囲 @日本 を考えてみると、食物アレルギーのある友人知人はおらず、小学校時代を思い出しても、アレルギー対応の特別給食があった、という記憶がありません。(きっとあったのだとは思いますが。)
「なんでスウェーデンではこんなに多いのだろう。」と疑問に思っていました。
ですが、近年は日本でも、食物アレルギーのある子どもが増えているようです。
文科省の2007年発表調査では、公立小学校に通う児童の2.6%が食物アレルギーを持っていました。

2年前の年暮れに起きた、食物アレルギーを持つ女の子が給食を食べた後に亡くなった事故、覚えているでしょうか。
それ以来、教師のアレルギーや救急処置方法の知識不足、また、アレルギーのある子に対するクラスメートの配慮・理解が問われています。
事故防止のために、特別給食には色の違うトレーを使う対策も多くの学校で取り入れられるようになりました。

 しかし、一方で、このトレー導入をためらう学校/親も少なくないようです。
理由は、「いじめの原因になるから。」


えっ!?
食物アレルギーが原因でいじめられるの!!?
日本では、食物アレルギーがそんなにも異色なことと捉えられているだなんて。
それほどにも、食物アレルギーに関する知識も理解も広まっていないのですね…
久しぶりに、逆カルチャーショックを受けました。


大学で「食生活」の勉強をしていると、度々、学校という場の可能性やコミュニケーションの重要性が取り上げられます。
まさに、日本における食物アレルギー教育は、その一つ。
日本の栄養士さんたち、力を入れるべき課題ですよ!!

February 7, 2014

食物アレルギー体験

「食物アレルギー保持者になる」
というペア課題。
アレルギーのある方々が、スーパーやレストラン/カフェで遭遇する問題を、実際街に出て体験しました。

それぞれ2種類の食物アレルギーを選ぶ、ということで、友達はグルテンと卵、私は、ラクトースと柑橘類をチョイス。
友達は、もともとグルテンアレルギーのある子。
ですが、私にとっては “初めての食物アレルギー” だったので、興味深い課題でした。


まず、スーパーで商品を選ぶ、という行為。
一つ一つ用心深く、パッケージの原材料名をチェック。
今までは、保存料や油脂の種類を確認する為などに表示を読むことはあったものの、アレルゲンを調べるために見るのは初めて。例えば「原材料の一部に小麦を含む」、という記載がされていることは前から気づいていたのですが、主要アレルゲンの材料が太字や斜体、下線で強調されていることは、今回の調査で初めて知りました。ポジティブな驚き。それでも、文字の小ささから言うと、お年寄りや視力の悪い方にはまだ問題です。
また、便利だと思ったのが、スマホの機能。こちらのスーパーでは、付近にスタッフを見つけられないことが頻繁。聞くにも聞けないことが実際も多いのだろうと思いますが、そんな時にすぐ調べることができるのは実用的です。

そして、“面白かった” のが、カフェでの対応。
レジで自分たちのアレルギーを伝え、どのケーキだったら食べられるかを聞いたのですが、質問したと同時にスタッフの表情に変化が。こちらにも彼女の焦りがすぐに伝わってきました。
レジにアレルギー情報の入ったファイルがあったことは、プラスポイント。
ですが、それをめくりながらも、どれだったらお客さんに出せるのかを確認できないスタッフさん。
彼女が友達に勧めたチョコボールは、実はグルテンが含まれるオートミールを使っているものだったし、「ラクトース無しのバターを使用」という理由で私に勧めたモノも、同じチョコボール。「チョコボールにラクトース無しのバターを使っているのなら、他のケーキもそうじゃないの?」と、なんだか適当にされた感が否めず、信頼できない対応でした。
結局何も頼まないことに決定。
その時のスタッフさんの「Ok、ありがとう。さよなら!!」の嬉しそうな声に、私たち二人で苦笑してしまいました。


この課題を通して学んだのは、食物アレルギーに関する知識の大切さ。
近年は、日本でも食物アレルギーが引き起こす事件が以前より随分と多発していて関心が高まっていますが、スウェーデンでの関心度はそれをグンっと越すもの。アレルギーに対する人々の態度や商品開発の進度は、日本の何年も先を進んでいる感じがします。
ですが、 それでも、実際にアレルギーのある人とない人では、知識に大きなギャップがあることが十二分に分かりました。私も、知識不足の類に入るので、カフェスタッフの彼女を咎めることはできません。

栄養士としてできること。
それは、スーパー、そして特に、お客さんに店のメニューを責任をもって提供する役割のあるレストラン/カフェのスタッフへの食物アレルギーの教育に力を入れること、だと実感しています。
私も、もっと勉強しないと!!


余談 :)
課題発表の翌日は、グルテン・ラクトースを含まない料理をテーマに調理実習。
普通のレシピを、自分たちでグルテン・ラクトース無しのものに改訂しました。