March 27, 2013

ジュースのカロリー

スウェーデンからも、日本からも離れて、今日はアメリカからのニュースを。


アメリカの肥満問題は、よく知られた事実ですが、セレブ志向の高いニューヨークでは近年、州をあげて健康対策を強化しています。

現ニューヨーク市長のMichael Bloomberg氏。
彼はまず、市内のレストランでのトランス脂肪を含む料理の提供と喫煙を禁止。その後、ファーストフード店では、メニューにカロリー表示をすることが義務付けられ、また、公園や広場でのタバコも禁じられました。
そして昨年秋、4,7dl以上のサイズのジュースの販売禁止が採択され、今年の3月12日から施行されています。

(修正:この法は、施行日の3月12日の前日、11日に、急遽取り消しの判決が下されていました。「抜け穴」や「例外」があまりにも多い、という判断が理由のようです。Bloomberg市長はすぐさま上訴したようですが、どのように解決するかは分かっていません。)

この法令には、ジュース販売業者やレストラン業界、また一部の市民からも反対が出ていますが、彼ら以上に対決姿勢を見せているのが、ミシシッピ州。
ニューヨークに対抗して、お客さんが飲みたいだけの量のジュースを売るだけでなく、バーやレストランでカロリーを提示することを禁止するなどの“The Anti Bloomberg Bill (反ブルームバーグ法案)”と名付けられた法案までもが提出されています。
ですが、実はミシシッピ州は、300万人の住民のうち35%がBMI値30を越える、アメリカ国内でも肥満率が最も高い州なのです。
(BMI値 25以上 = 肥満 / 18,5以上 25未満 = 普通 / 18,5未満 =痩せ型 )


スウェーデンの話が交じりますが、先日、スウェーデン国内の糖尿病患者のうち、女性は47%が、男性は41%が肥満である、という調査結果が出ました。
肥満は、糖尿病の起因になるだけではなく、生活習慣病をはじめ多くの疾患に関わっています。


ファーストフード店で注文するジュースを、ビッグサイズからスモールサイズに変えるだけで、摂取カロリーを62kcalも減らすことが出来ると言います。
国民の選択肢を法律で限ったり、強要したりすることは、確かに人権の侵害となりますが、肥満が、いずれどのような健康被害をもたらすのか、どうしたらそれを防げるのか、という情報を得ることができる、というのも私たちの権利。
国民の健康を守るのも国家の役目の一つではないか、と思います。

March 15, 2013

Let's 禁煙!!

質問です。

皆さまの中でタバコが好きな方、いらっしゃいますか?

当てはまる方…
もしかすると、近い将来、タバコが法律違反になるかもしれませんよ!!



というのも、先日のこちらの新聞に、「2025年施行 タバコ違法案」というdebate記事が掲載されていたのです。

スウェーデンにある4つの肺ガンセンターによる提案で、2025年以降、タバコの輸入/配給/販売を全面禁止するように、と、スウェーデン政府に要求する旨。
ニュージーランドやフィンランドでは、既に同様の対策が施行されているようです。


スウェーデンでは、Snusという嗅ぎタバコが主流なこともあって、近年国民の喫煙率は低下の傾向にあります。ですが、それに相反して、若い女の子の喫煙者は増加しており、それが大きな起因の一つとなって、肺ガン発生率も高くなっているのです。
(スウェーデンでは、肺ガン患者の80%はタバコに由るもので、毎年約3500もの人が診断されています。)

タバコは、肺だけでなく、口腔、咽頭、食道、膀胱など、あらゆるガンを発生させてしまいます。善玉コレステロールも減少させ、肺疾患や心血管疾患を引き起こす、という、世界的に見ても高血圧に続く厄介モノなのです。


大のAntiーtobacco派の私は、この提案には大賛成。
でしたが、翌日の新聞には、政府からの却下の記事が載っていました。
その理由としては:
1. EU全体の平均喫煙率が28%なのに対して、スウェーデンは13%であること。
2. 法で禁止していなくても、現時点で国内の喫煙者は大幅に減っている。
3. 警察が喫煙違法者の調査&追跡に時間を割くのは適当でない。
というもの。
市民からも、「賛成出来る部分もあるが、個人の自由な選択権が損なわれる」という反応が目立ちました。



日本は、いまだに喫煙大国。
特に、喫煙席が当然のように用意されているレストランの多さは、先進国らしからぬものです。
タバコは、自分の健康だけでなく、周囲にも害を及ぼす不快で迷惑なものである。むしろ、副流煙を吸うpassive smokerの方が悪影響を受ける可能性があるのだ、という配慮を、もっと広めなくてはいけません。

小中学校の理科の授業で見た、あの黒い肺の模型。
うわーっと驚いた経験のある方も、多いかと思います。

いくら健康的に食べていても、いくら定期的に運動していても、タバコを吸っていては全く意味がありません。
結局スウェーデンでは「タバコ禁止案」は却下されてしまいましたが、提案者の意識とモチベーション自体は政府も大いに買っています。
喫煙者の方々は、タバコのもたらす影響を再度真面目に考えて、この機会に(もう一度??)、真剣に禁煙に取り組むことを強くお勧めします!!

March 7, 2013

妊娠さんへ

今年1月に生まれた、初の甥っ子。
去年姉からオメデタの連絡が来て以来、叔母バカです♡

そんな甥っ子がすくすく成長するのに必要なのが、もちろん「良質な食事と睡眠」!!
何を食べさせたら良いのか。
何を食べさせてはいけないのか。
何に気を付ければ良いのか。
可愛い甥っ子と初出産で不安だらけであろう姉の為に少しでもなればと、授業で習ったことを簡単にまとめて先日メールしました :-D


とは言っても、結局は「生後6ヶ月まではとにかく母乳が大事!!」の一言でまとめられるので、今日は代わりに妊婦さんの食事について少しお話したいと思います。


大まかには “5つの食事アドバイス” と同じですが、妊婦さんに特有なのが、まずは皆さまもご存知の“アルコール”。
胎児は、私たちが思っている以上にアルコールに敏感です。母親の妊娠中の飲酒が原因で診察に来る子ども(患者さん)の話を時たま彼からも聞きますが、妊娠時のアルコールは罪のない子どもに様々な障害をもたらしてしまいます。
少しくらいなら…という考えは捨てて下さい!

次に、妊娠中、特に注意して摂取したい栄養素。
それは、ビタミンD、Ω‐3、葉酸(ビタミンBの一つ)、鉄分そしてヨードです。
※ビタミンDとヨードについては、それぞれ “ビタミンD” “減塩” を参考にしてください。

葉酸については、以前から、「二分脊椎症(先天的障害の一つ)の発症リスクを減らす」ことは知られていました。
それに加え、先月、ノルウェーの国民健康機構が、「自閉症のリスク低減にも貢献する」という研究結果を発表。言語発達においても好影響があることは既に分かっていますが、葉酸は脳の発育に欠かせない大切なビタミンであることが更に証明されています。

スウェーデンでは、妊娠の可能性がある女性は「妊娠が疑われた時点から妊娠12週目までの間、毎日400μgの葉酸を摂取する」ことが推奨されています。
実際は、それだけの量を食事だけで取り入れるのは難しいので、サプリメントで補うなど工夫をして下さい。


心強いお母さんが身近にいないスウェーデンにお住まいの妊婦さんは、 Livsmedelsverket のサイトがお勧めです。
いろんな情報が載っていますよ ;-)


March 3, 2013

癌予防の本

クリスマスに、彼ママパパから頂いたプレゼント。
“Matfrisk”




癌を予防する料理の紹介やレシピが載った本です。




このスウェーデン本が、先日パリで開催された、世界の料理本大会「Gourmand World Cookbook Awards」の健康/栄養部門で、銀賞を受賞しました‼
(金賞はマレーシアの「Food for your eyes」。)

現在、数ヵ国の出版社から翻訳への強い関心が寄せられているで、日本での出版も有りうるかも!?


さて、肝心の中身ですが…
サイズの大きな本なので、インテリとして可愛く飾らせてもらっているだけで、実はまだ読んでいません。




いけないいけない :P

内容が興味深いだけでなく、写真もキレイに撮られているので、休日にゆっくり時間をかけてめくってみたいと思います。


それでは皆さまも。
Have a peaceful sunday!!